マイクロコイル併用VAL-MAP (VAL-MAP 2.0)

色素を用いたVAL-MAPは、肺表面に座標を与える役割を果たします。しかし、2016年~2017年に実施されたVAL-MAP先進医療では、切離ラインが深部に及んだ場合に理想とされる切除マージンが確保されない確率が高まることが示されました(肺表面から3cmの深さが必要な場合、約10%の症例でマージンが不足)。このVAL-MAP原法の欠点を補うために新しく開発されたのが、VAL-MAP2.0、すなわち、気管支鏡下に肺表面の色素マッピングを行う際に、気管支鏡下に末梢気道内に血管塞栓用マイクロコイルを留置し、術中にはX線透視を用いてマイクロコイルを可視化することで、3次元の肺マッピング可能とする方法です。
2018年に東大病院でパイロットスタディが行われ良好な結果が得られたことから、2019年~2020年に全国8施設で先進医療として多施設共同研究が行われました。パイロットスタディの結果と先進医療のプロトコールは下記の論文でご覧いただけます。先進医療の結果はまもなく公開される見込みです。
VAL-MAP 2.0の技術の詳細はこちらをご覧ください。
2020年7月現在、VAL-MAP 2.0のマイクロコイル使用部分は保険診療として実施することができません。今後、先進医療の結果によって、マイクロコイルの適応拡大、手技の保険収載が認められ、保険診療として実施可能となる可能性があります。今後の展開に期待したいところです。