インドシアニングリーン(ICG)を用いたVAL-MAP

インジゴカルミンを用いたVAL-MAPは炭粉沈着の強い肺で見にくい、技術的に中枢噴霧がおこるとみえない、といった難点があります。蛍光色素であるインドシアニングリーン(ICG)は、赤外光胸腔鏡を用いることで容易に視認でき、その感度も高いと考えられるため、今後の普及・発展が大いに期待される方法です。
すでに国内外から複数の研究発表がなされている状況ですが、2020年7月の段階では、正式には保険診療での実施を認められていません。各施設で倫理委員会を通す、実地臨床として保険適応外での使用を行う(たとえば、ピシバニールを胸膜癒着に用いるのと同様に)など、各ご施設での判断を行ったうえで、適正にご使用くださますようお願いいたします。当方としましても、ICGがインジゴカルミンと同様、保険診療の範囲内で問題なく利用できるようになるよう、各方面との協議、働きかけをつづけてまいります。
ICG-VAL-MAPに関するレポート
平野 豊,鳥越英次郎,鷲尾一浩,池田元洋,玄馬顕一,上岡 博.ICG 併用 VAL-MAP と ICG 静注区域間同定法を使用した胸腔鏡下拡大区域切除の 1 例.肺癌.2019;59:378-383.
現在進行中のICG-VAL-MAPを用いた臨床研究
微小肺病変に対する手術精度向上のためのバーチャル気管支鏡ナビゲー ションを利用した術前気管支鏡下マーキング (京都大学での単施設研究:2017~)